ゴルフ場でお酒を飲んでカート運転すると飲酒運転になる？事故の危険性と責任の所在を解説！

ゴルフ場での楽しみの一つがラウンド休憩時の冷たいビールですよね。

しかし、ゴルフ場で飲酒をした後のカートの運転が、飲酒運転になってしまうのではないかと気にしている方もいらっしゃるかと思います。

そこでゴルフ場での飲酒カート運転に関して、万が一飲酒でカートの転倒事故を起こしてしまった時の責任も含めてご説明していきたいと思います。

 

1. ゴルフ場での飲酒カート運転は罪になるの？

まずはゴルフ場でビールなどのお酒を飲んでカートを運転すると、飲酒運転の罪に問われるのかを確認してきましょう。

道路交通法第65条第1項には「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と明記されております。飲酒運転すると非常に重たい罪に問われてしまいまうのはこのためです。

しかし、ゴルフ場の道路は公道ではありません。道路交通法は原則として公道で適用される法律になりますので、ゴルフ場の道路では関係ありません。

つまり、ゴルフ場で飲酒した状態でカート運転をしても、法律上は飲酒運転の罪に問われることはありません。

ただし、ゴルフ場からの帰りの運転でアルコールが残っていると飲酒運転で人生を棒に振ってしまいますので、くれぐれもお気をつけくださいね。

2. 飲酒カート運転で転倒事故を起こしてしまったらどうなるの？

ゴルフ場のカートの転倒事故は毎年のように報告されております。その中でも、ラウンド休憩時などに飲酒を飲んだ後に、カート運転で転倒事故を起こしてしまうケースも報告されております。この時のプレーヤーの責任はどうなるのでしょうか。

この場合でも、ゴルフ場での飲酒による運転事故は、道路交通法の飲酒運転の対象外になりますので、運転免許証を剥奪されることはありません。

しかし、カートの転倒事故となると民事上の問題が出てきます。

特に同乗している同伴プレーヤーが怪我をしてしまった場合は、怪我の程度によって高額な治療費や慰謝料を支払わないといけない場合もあります。

現時点ではゴルフ保険に入っていればゴルフ場での事故は保険が適用されますが、将来的にはゴルフ場での飲酒運転による事故は対象外となる可能性もありますので、気をつける必要がありそうですね。

 

3. お酒を提供したゴルフ場にも過失があるの？

実際にゴルフ場のカートで飲酒運転をしてカートの転落事故を起こし、同乗していたプレーヤーを大怪我させてしまう痛々しい事故がありました。

この事故に関しては共済組合が負傷者へ賠償金を支払ったわけですが、共済組合がゴルフ場に対してカートを運転すると知っていながらお酒を提供したとして、賠償金の一部をゴルフ場が補填するように提訴しました。

これはニュースでも取り上げられていましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

裁判結果としては、ゴルフ場がプレーヤーにお酒を提供したことがカート事故につながったということで、ゴルフ場の過失の一部を認める判決を大阪高裁が言い渡しました（2017年度）。

近年では、「飲酒運転はお酒を提供したお店側にも責任がある」という風潮を受けた判決と言うことができるのではないでしょうか。

4. カートの飲酒運転を抑制するゴルフ場の対応

上の転倒事故を受けて、今後のゴルフ場での飲酒の提供方法に変化が出てくる可能性があります。

早速ですが、一部のゴルフ場では飲酒をしたカートの運転を是正する取り組みが実施されておりますので、詳しくご紹介していきたいと思います。

4-1. 張り紙で注意喚起

まずは張り紙による飲酒カート運転の防止啓発活動です。

ゴルフ場のレストランには、飲酒をしたプレーヤーのカート運転を防止する旨のポスターがよく見受けられるようになってきています。

ただしこれには強制力がありませんので、あくまでプレーヤーのマナーに訴える働きかけになりますね。

4-2. 安全運転の誓約書に署名

ラウンド前にカートの安全運転誓約書にサインをするゴルフ場もあります。

その制約項目の中に、飲酒をしてカートを運転しないという項目を追加しているゴルフ場が増えてきております。

この誓約書にサインをしてカートの飲酒運転をしてしまうと誓約違反になってしまいますので、この場合はラウンド休憩時もビールは飲めませんね。

4-3. その他

その他の取り組みとしては、カートの電動化などが挙げられます。

ゴルフ場のカートは手動から自動に急速にシフトしてきております。

この理由はもちろんゴルフ場利用者の満足度向上のためであると思いますが、上でも取り上げた転倒事故がこのような動きを加速させているのかもしれませんね。

ゴルフ場内での飲酒カート運転にはくれぐれも気をつけよう！

いかがでしたでしょうか。ゴルフ場での飲酒カート運転についてご確認いただけましたでしょうか。

現在の法律では、ゴルフ場内でのカートの飲酒運転は罪に問われることはありません。ただしゴルフ場によっては飲酒したカート運転を禁止しているゴルフ場もあります。

また、飲酒がきっかけで万が一事故を起こしてしまうと取り返しのつかないことになってしまいますよね。手遅れになってからでは遅いですので、ゴルフ場で飲酒してカートを運転される方はくれぐれもお気をつけくださいね。

ゴルフ場での飲酒がプレーや帰りの運転に与える影響は、『ゴルフ場でのビールやお酒はOK？スコアへの影響と飲酒運転の危険性を解説！』で詳しくご紹介しておりますので、ぜひこちらもご確認してくださいね！