0番アイアンというクラブを聞いたことはありますでしょうか。石川遼プロがヨネックスの「ゼロアイアン」を使用して話題になった時期もありますが、果たしてあのクラブは0番アイアンなのでしょうか。
また0Iでショットしたら、飛距離はどのくらい出るのでしょうか。0番アイアンは馴染みのないクラブなだけに、たくさんの疑問が湧いてきますよね。
そこで、0番アイアンというゴルフクラブの正体や飛距離の目安に関して詳細に考察していきたいと思います。
ここでは石川プロが使用したクラブの情報はもちろん、実在する0番アイアンの情報なども幅広く掲載していきます。0番アイアンに興味のある方は、ぜひ情報収拾のご参考にしてくださいね。
目次
1. そもそも0番アイアンって何?
そもそも0番アイアンというクラブに馴染みのある方はほとんどいらっしゃらないかと思います。
最近のゴルフクラブは、5Iまでしかラインナップがありませんよね。ひと昔前のタフなモデルなら2Iや3Iも発売されておりますが、0番アイアンは滅多にお目にかかれません。
0Iの考え方はいたってシンプルで、2Iの延長線上でさらにロフトを小さくしていったクラブになります。
ゴルフクラブは、ロフトを小さくすることで、どんどん番手の数字も小さくなっていききますよね。番手が0になるまでロフトを小さくしたアイアン、それが0番アイアンなのです。
2. 石川遼プロが使用したクラブはユーティリティ!
0番アイアンが世の中で有名になったのは、おそらく2011年です。この年にツアープロである石川遼選手が全英オープンで「ゼロアイアン」を使用し、瞬く間に時のクラブとして有名になりました。
石川プロがこの時に使用したクラブは、ヨネックスから発売されている「ZERO IRON」です。ただ厳密にいうと、このクラブは0番アイアンではなく、ユーティリティです。
アイアン型のユーティリティは、通常のアイアンよりもフェースが大きく、そしてソールの幅も広くすることで、寛容性を持たせております。
0番アイアンは想像通りタフなクラブですので、寛容性を求めてユーティリティ形状を採用していると推察されます。
3. 本当に0番アイアンは実在するのか?
ヨネックスから発売されたゼロアイアンは、厳密に言えばユーティリティでした。
それでは、0番アイアンなるクラブは実在するのでしょうか。0番アイアンを発売しているメーカーは、極少数ですが存在します。
そこで、市販されている0番アイアンのスペック情報をご紹介していきたいと思います。また冒頭では、ヨネックスのゼロアイアンのスペック情報も掲載しております。ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
3-1. ヨネックス「ゼロアイアン」
まずは石川プロもツアートーナメントで使用したヨネックスのゼロアイアンから確認していきましょう。
このクラブは厳密に言えばユーティリティでしたが、ゼロアイアンの名称で親しまれております。このヨネックスのゼロアイアンのロフト角は16度です。
もしかしたら「0番アイアンならロフトがもっと小さいのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。例えば2Iのロフト角は約18度前後が一般的です。そう考えると0番アイアンはもっとロフトが立っていても不思議ではありません。
この辺りもヨネックスのゼロアイアンが、真の0番アイアンとして浸透していない要因の一つかもしれませんね。
3-2. BoseIronFactory「零式」
本気で0番アイアンというハードスペックに挑戦した「BoseIronFactory」という会社のゴルフクラブをご紹介いたします。
こちらのメーカーでは、「零式」という商品名で0番アイアンを発売しております。ちなみに0番アイアンのロフト角は、なんと12度に設定されております。
また、0番アイアンでしっかりと飛距離が出るようにMOI(慣性モーメント)を追求しているのですから驚きです。0番アイアンをスチールシャフトでショットするにはハードすぎますよね。
そこで、ドライバー用のシャフトを装着できるように設計されているのです。もう少し具体的にいうと、ドライバーのシャフトを装着できるように、ホーゼルの径を調整しているのです。
さらにマッスルバックとキャビティアイアンの2種類をラインナップしております。マッスルバックの0番アイアンは流石に難しすぎますが、キャビティアイアンならなんとか飛距離も出せるかもしれませんね。
3-3. BANG-GOLF「Bang-O-Matic CenterCut Iron」
0番アイアンを製造しているもう一つのメーカーが、「BANG-GOLF」という会社です。
こちらのメーカーから発売している「Bang-O-Matic CenterCut Iron」シリーズには、0番アイアンまでラインナップされております。
0番アイアンのロフト角は、驚異の11度です。これはもうドライバーのロフト角とほとんど変わりませんよね。
ただこちらは「0番のロフトのアイアンを作りました!」的なクラブとも言われており、実用性はあまり高くないと聞いております。この0番アイアンでショットしても、ドライバー並みに飛距離の出ることはないかと思います。
とはいえ、実在する希少な0番アイアンの一つですので、興味のある方はぜひ調べてみてくださいね。
4. 0番アイアンの飛距離はどのくらい?
それでは、実際に0番アイアンでショットした時の飛距離はどれくらい飛ぶのでしょうか。
ここでは、男子ツアープロと一般的なアマチュアゴルファーが0番アイアンをスイングした場合の想定飛距離について考察しております。
ここでご紹介する数値を目安にしながら、自分がショットしたらどれくらい飛びそうなのか想像してみてくださいね!
4-1. 男子ツアープロの飛距離
男子ツアープロが0番アイアンを使用した時の飛距離は気になりますよね。
ご参考までに、石川プロがツアートーナメントで「ゼロアイアン」を使用した際の飛距離は、250〜260ヤードを記録しております。とはいえ、ゼロアイアンはロフト角が16度からも分かる通り、本物の0番アイアンではありません。
残念ながら編集部では、0番アイアンをショットした場合の男子ツアープロの飛距離に関する情報を持っておりません。
ただ0番アイアンはロフトが12度前後のことから推察すると、ドライバーの次に飛距離の出るクラブと言っても過言ではないでしょう。
スペック的には、3番ウッド並みに飛距離が出ても不思議ではないと思います。石川プロが16度のゼロアイアンで260ヤード飛距離を出していることから、0番アイアンで270ヤード程度は飛距離が出るのではないでしょうか。
4-2. アマチュアゴルファーの飛距離
それではアマチュアゴルファーの方が0番アイアンを使用したら、しっかり飛距離を出せるのでしょうか。
0番アイアンをショットするためには、かなりのヘッドスピードとミート率の高さが要求されます。
このため、アマチュアの方が番手通りの飛距離を出すことは、かなり難しいと思います。もしかしたらボールを上げるだけでも精一杯になってしまうかもしれません。
とはいえ、これでは参考にならないかと思いますので、あくまで目安として飛距離を掲載いたします。ここでは、ドライバーのヘッドスピードが50m/s以上あり、且つ、しっかりとしたスイングのできる上級者の場合で考察していきましょう。
この場合、おそらくですが3wと同じ程度の飛距離が出ると予想されます。飛距離の目安としては、230〜250ヤード程度になるのではないでしょうか。
実際の0番アイアンの飛距離が気になったら試打してみよう!
いかがでしたでしょうか。0番アイアンというゴルフクラブの情報や、飛距離に関する情報はご確認いただけましたでしょうか。
石川プロがツアーに使用したクラブは、厳密な意味では0番アイアンではありません。
とはいえ、世の中には本物の0番アイアンも実在しております。アマチュアの方が0番アイアンをショットしても、番手通りの飛距離を出すことはかなり難しいと想定されます。
ただ実際の飛距離はショットしてみないと分からないですよね。0番アイアンを試打させてもらえるショップがあるとのクチコミ情報を聞いたこともあります。
0番アイアンの飛距離に興味のある方は、ぜひ一度ご自分の手でクラブを握ってみてくださいね!