アイアンセットを購入するときは7番アイアンを試打しますよね。そこでよく出現する表現として「ライ角」という言葉が出てきます。
ゴルフショップへ足を運ぶと、至る所でライ角調整をアピールした宣伝を見かけます。
果たして7番アイアンのライ角とは何を意味しているのでしょうか。また7番アイアンのライ角はショットにどのような影響を与えるのでしょうか。
そこで、ゴルフ用語でいう「ライ角」について、ゴルフ初心者の方でもわかりやすいように詳しく解説していきます。また現在流行しているライ角調整の意味とメリットについてもご紹介していきます。
7番アイアンのライ角を気にされている方にはぜひともご確認いただきたい内容ですので、早速見ていきましょう!
目次
1. そもそもライ角とは?
ゴルフ初心者の方もご覧になっているかと思いますので、簡単にライ角についてご紹介していきます。
ライ角とは、ゴルフクラブのシャフトとリーディングエッジで構成される角度のことを意味しております。もっと分かりやすく言えば、アイアンを地面と平行にソールした時の、シャフトと地面の成す角度のことを指します。
またライ角は、インパクトする瞬間の、地面とフェースの角度に影響を与えるとイメージしてください。もちろんこの時の角度は180度、つまり地面とフェースのリーディングエッジが平行になっていることが理想です。
しかし、アドレスで地面とリーディングエッジが平行になるように構えていても、インパクトで平行になっているとは限りません。人によってはこの角度がずれてしまっている場合もあるのです。
これはスイングに問題があるのではなく、クラブの構造的な問題に起因する場合もあります。ここにライ角調整する必要性が生まれるのです。
2. 7番アイアンのライ角の目安
7番アイアンのロフト角はメーカーごとにバラバラです。ただ、7番アイアンのライ角に関しては、ある程度の目安が存在します。
7番アイアンは試打クラブとしてライ角にスポットが当たりやすいこともありますので、ぜひこの機会に目安を覚えておきましょう。
バラバラの7番アイアンのロフト角を確認したい方は、ぜひ『7番アイアンのロフトの角度は何度が理想?飛距離の目安や選び方を徹底解説!』もご覧くださいね。
2-1. 国産メーカーの場合
国産メーカーの場合、日本人の体格にあったゴルフクラブを生産しております。具体的には、平均身長が170センチメートルの男性をイメージしてゴルフクラブを製造していると言われております。
このため国内メーカーの7番アイアンのライ角は、62度に設計されているクラブが多いです。もちろんメーカーごとに多少のばらつきはございますが、平均をとれば62度程度になります。
ただもちろんですが、同じ日本人と言っても身長は十人十色です。そのため、適正ライ角も人によって異なって当たり前なのです。
これだけでも7番アイアンを始めたとしたクラブのライ角調整をした方が良さそうですよね。これに関しては次章で確認していきましょう。
2-2. 欧米メーカーの場合
タイトリストやキャロウェイなどの欧米系メーカーのゴルフクラブもたくさん販売されておりますよね。実は欧米系のゴルフクラブの場合、ライ角が大きめに設計されている場合もあります。
これにも平均身長が関係しております。欧米人の場合、見るからに日本人よりも身長が高いですよね。
基本的には身長が高いゴルファーほどライ角は大きくなる傾向があります。これを受けて、欧米系のゴルフクラブはライ角が少し大きくなっております。
そこで、欧米系7番アイアンのライ角の目安は、63度程度とイメージされておくと良いかと思いますよ。
3. 7番アイアンにおけるライ角調整の必要性
ここでは、ライ角調整の必要性を確認していきたいと思います。
7番アイアンの不適切なライ角がショットに与えてしまう影響が分かれば、自ずとライ角調整の重要性も見えてくるはずですよ。
ぜひこの機会にライ角調整の必要性と重要性について、しっかりと学んでおきましょう!
3-1. アップライト調整とは
インパクトで7番アイアンのネック側が地面から浮いてしまっている状態を考えてみましょう。
この場合、フェースの先端側が先に地面に接触してしまいます。このためインパクトでフェースが開きやすく、ヘッドスピードも落ちてしまいます。
その結果、飛距離が出ずに弱々しいスライス系のボールになってしまうことは避けられません。
そこで、フェースのリーディングエッジが地面に平行になるようにクラブを曲げる「アップライト調整」の出番になります。
先ほど日系メーカーのクラブは、身長170センチメートルを想定してクラブを製作しているとご紹介いたしました。しかしもっと高身長のゴルファーの方もたくさんいらっしゃいますよね。
このため、アップライト調整が望ましいゴルファーの方は潜在的にたくさんいらっしゃいます。
3-2. フラット調整とは
反対に、インパクトで7番アイアンの先端側が地面から浮いてボールをショットしてるケースを考えてみましょう。
この場合、フェースの根元側が先に地面に接触してしまいます。このため急激にフェースが返り、被るような形でゴルフボールをショットしてしまいます。
この結果、フック系のショットになってしまうのは避けられません。
そこで、フェースのリーディングエッジが地面と平行になるようにクラブヘッドを曲げる「フラット調整」の出番になるのです。
こうすることで、スイングを修正することなくライ角を適正にできますよね。ここにライ角調整の魅力が濃縮されております。
4. 7番アイアンのライ角がずれるとスイングが崩れる?
過度にライ角の異なるクラブを使用している場合、スイングが崩れてしまう可能性があります。
上でご紹介した通り、ライ角はフラットにずれているとスライス、アップライトにずれているとフックのミスショットを打ちやすい傾向がありました。
しかし人間はミスショットを回避すべく、誰でも練習と対策を重ねていくものです。その過程で無意識のうちに、手首をこねてスライスやフックを改善するスイングになってしまう可能性もあります。
しかし、スイング中に手首をこねる動作は基本的にはNGです。このようにライ角がずれているゴルフクラブを使用していると、正しいスイングを習得する練習の阻害要因になってしまう可能性すらあるのです。
こうした事態に陥らないためにも、しっかりと自分にあったライ角のクラブを使用したいものですね。
5. スイングをライ角に合わせる時代からクラブをカスタムする時代へ
以前はゴルフクラブの形状にスイングを合わせる時代でもありました。有名なエピソードとして、青木功のパッティングホームがあります。
青木功は、幼少時代にたまたまシャフトの長い欧米式のパターを購入したがために、あのような独特のパッティングホームになったと自身で説明しております。
しかし現代では、ご自分のスイングに応じてクラブをカスタムする時代になりつつあります。
上でもご紹介した通り、身長が異なれば7番アイアンのライ角が異なってくるのも当然です。このため、ご自分の身長やスイングにあったゴルフクラブへライ角調整する方も増えております。
今日では、様々なライ角調整に対応しているメーカーも増えてきております。代表的なメーカーとしては、ブリジストンやミズノが挙げられますね。
こうしたメーカーのクラブを上手に活用すれば、はじめから自分にベストマッチしたクラブを購入できますよね。
ゴルフクラブの買い替えを検討されている方は、ぜひライ角も見据えてクラブを選んでみてくださいね。
6. ライ角調整は7番アイアンだけで大丈夫なの?
ライ角を調整するときは、7番アイアンのライ角を測定するケースが一般的です。
ここで一つの疑問が浮かんでくると思います。果たしてライ角を測定するのは7番アイアンだけでよろしいのでしょうか。
もちろん理想を言えば、全てのゴルフクラブのライ角を測定した方が良いに決まってます。フィッティング専用の工房へ持参すれば、各クラブ共にライ角測定して変更してくれるでしょう。
ただ一般的なゴルフショップで購入する場合、全てのゴルフクラブのライ角を測定していては時間がかかってしまいますよね。だから7番アイアンのライ角を基準にする場合が多いのです。
例えば、7番アイアンのライ角を62度から64度に2度アップライト調整するケースを考えてみましょう。この場合は、ピッチングウェッジから5Iまで全て2度調整することになります。
基本的にはこの調整方法でも各クラブ共に十分に満足いただける仕上がりになります。
もし全てのゴルフクラブでライ角を測定してから調整したいという方がいらっしゃいましたら、専用のクラブ工房へ相談してみましょう。
最適なライ角の7番アイアンを選ぼう!
いかがでしたでしょうか。アイアンにおいてライ角は非常に大切なポイントです。
アイアンのロフト角を決める場合、試打クラブである7番アイアンを基準にする場合が多いです。そこでまずはしっかりと7番アイアンのライ角の情報をしっかりと整理しておきましょう。
また市販クラブの中には、メーカー調整でライ角を調整できるゴルフクラブもたくさん販売されております。
こうしたゴルフクラブを購入すれば、製造段階からライ角調整してくれるため、クラブに傷が付いてしまう心配もありません。
もちろんスイングの軌道が安定しない初心者の方がライ角をいじる必要性は低いですが、毎回安定してスイングできる中上級者なら、ライ角をいじるメリットは大いにあります。
ぜひ最適な7番アイアンのライ角を選択して、効率的にスコアアップを目指していきましょう!