かつて長尺パターは、プロアマ問わず人気なゴルフクラブでありました。ところが2016年に設定されたアンカリング禁止のルールによって、長尺パターはすっかり姿を消してしまいました。
ただ今日でも、長尺パターを使用しているプロもいらっしゃいます。ルール改定に抵触することなく長尺パターを使う打ち方は気になりますよね。
そこで、新ルールに対応した長尺パターの打ち方を詳細に解説していきます。冒頭では、2016年に設定されたアンカリング禁止のルールの情報についても説明いたします。
長尺パターを使用される方はもちろん、長尺パターの使用を検討されているの方も必見です。
目次
1. アンカリングの禁止と長尺パターについて
長尺・中尺パターを使用するからには、アンカリングの情報整理は必須となってきます。
そこでまずは、この点について詳細に説明いたします。長尺パターの打ち方をご紹介する上でとても大切なポイントとなっておりますので、早速みていきましょう。
1-1. アンカリングになる長尺パターの打ち方
アンカリングとは、グリップエンドを体に押し付け、支点を作ってストロークする打ち方です。この時は、手首や前腕を体に密着させて支点にする方法も含みます。
長尺パターの体表的な打ち方と言えば、グリップエンドを胸に押し当ててストロークする方法でした。またグリップエンドを顎の下に押し付けて支点にするツアープロもいらっしゃいました。
グリップエンドで支点を作ることで、それだけ再現性の高いストロークができます。この効果でショートパットの方向性が格段と良くなるメリットがございました。
ところが2016年に設定された新ルールによって、この打ち方は全面禁止されました。ツアープロでもこの打ち方をしている選手は多かっただけに、これは影響度の大きいルール改定でした。
昔のゴルフのレッスン動画やレッスン教材を視聴される際は、このポイントにも気をつけてくださいね。
1-2. 長尺パターそのものが禁止された訳ではない
アンカリングを禁止するルールが発表されて以来、長尺パターを見かける機会は激減しております。
プロアマ問わず、長尺パターを使っている方はほとんどいらっしゃいませんよね。またゴルフショップのパターコーナーへ足を運んでみても、長尺パターは滅多に取り扱われておりません。
これだけ長尺パターと触れる機会が少なくなると、「長尺パターそのものが禁止されたのでは?」と思われているゴルファーの方もいらっしゃるかと思います。
ただこのルールでは、長尺パターそのものを禁止している訳ではございません。あくまで支点を作る打ち方を禁止しているのです。このため、体を使って支点を作らなければ、今日でも長尺パターを使用することは可能です。
2. ルール違反とならない長尺パターの打ち方
ツアープロでも、アンカリング禁止を受けて、長尺パターの使用を諦めた選手はたくさんいらっしゃいます。
ただ中には、ルールに適合した打ち方で長尺パターを使用している選手もいらしゃいます。そこで、ルール違反とならない長尺パターの打ち方をご紹介していきます。
2-1. 長尺パターの左手のグリップ
まずは左手のグリップ方法からみていきましょう。長尺パターをグリップする時は、左手を順手で握ります。順手とは、親指が上にくるような持ち方です。
この時は、親指をグリップエンドの上に乗せるような持ち方をします。長尺パターをグリップする場合、ちょうど左手がご自分の胸の正面のあたりにくるはずです。
この際、左腕を胸に押し付けては、アンカリング違反を取られてしまいます。以前はこのような打ち方も認められておりました。
ただ新ルールでは、間接的ににグリップエンドを固定する打ち方も禁止されているからです。左手のグリップでは、この点を十分にご注意してくださいね。
2-2. 長尺パターの右手のグリップ
長尺パターの打ち方では、右手のグリップ方法はたくさんあります。右手の代表的なグリップは、親指と人差し指の間にシャフトを挟むようなグリップです。
このようにグリップすることで、右腕や右手首の角度に違和感なくグリップできます。これ以外にも、人差し指や中指をシャフトに添えるようなグリップの方法があります。
ネット上では、長尺や中尺パターの打ち方を紹介したレッスン動画もたくさん残っております。こうしたレッスン動画を視聴して、右手のグリップ方法を確認するのもおすすめですよ。
どれが正解の持ち方というものはございませんので、ご自分にぴったりのグリップを探してみてください。
2-3. 左脇を上手に使った長尺パターの打ち方
長尺パターでは、左脇の使い方がとても大切です。長尺パターのストロークを安定させるためには、左脇を締めてアドレスすることがポイントです。
「もしかしたらルール違反では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに前腕を体に密着させる打ち方はルール違反です。
前腕とは、肘より先の部分です。このため左脇を体に固定しても、前腕が体から離れていれば問題ありません。
左脇を締めて固定する打ち方を採用することで、ストロークのぶれが自然と少なくなります。パットの方向性が格段と向上しますので、ぜひ試してみてくださいね。
2-4. 長尺パターのストローク方法
長尺パターは、左手のグリップを支点の代わりにして、右手でクラブをストロークさせる打ち方が基本です。
極力左手を動かさないようにして、右手だけでパターをストロークするようにしましょう。この際に左脇を締めて固定していれば、支点がブレにくく、ミスパットも減っていきます。
ぜひ長尺パターの打ち方のご参考にしてくださいね。
3. プライベートゴルフなら長尺パターをアンカリングしても良いの?
そもそもアンカリングの禁止は競技プレーヤー向けのルールですよね。それならば、プライベートゴルフなら問題ないのでしょうか。
確かにオープンコンペなどでも、OKパットあり、シックスインチルールあり、高反発ドライバーありなど、ルール非適合な部分が認められる場合もあります。
それでも長尺パターで支点を作る打ち方は避けられた方が無難です。このような打ち方をしていると、ルール違反を指摘される場合もありますし、マナー上もよろしくありません。
やはり長尺パターを使用される場合は、プライベートでも正規の打ち方を採用するようにしましょう。
4. トッププロに学ぶ長尺パターの打ち方
ツアープロでも長尺パターを使用している選手は少なからずいらっしゃいます。
その中でも世界的に有名な選手として、アダムスコット選手を挙げられます。アダムスコットは、かつて長尺パターを使用してマスターズに優勝した実績もあります。
ただこのルール改定によって、長尺の使用を見送っていた時期もありました。ところが、2018年は再び長尺パターを使用して好成績を残しております。
アダムスコットはコメントで、「ヘッドの小さい長尺パターを使用することで、体に支点を作らなくてもコントロールしやすいことを発見した!」といったニュアンスの発言をしております。
確かにヘッドが小さければ、グリップエンドを体に固定しなくても、ストロークのブレが小さくなりますよね。長尺パターをお使いのゴルファーの方は、ぜひトッププロの見解もご参考にしてみてくださいね。
5. ルール違反にならない長尺パターの打ち方を習得しよう!
いかがでしたでしょうか。長尺パターの打ち方はご確認いただけましたでしょうか。
かつて長尺・中尺パターは、ツアープロからも人気なゴルフクラブでした。しかし2016年にアンカリングができなくなって以降、長尺パターを使用するツアープロは激減しております。
ただこのルールに対応した打ち方を採用すれば、長尺パターを使用することも可能です。
上では、ルールに抵触せず、長尺パターの特性を上手に活かした打ち方を解説してきました。長尺パターの使用を検討されているゴルファーの方は、ぜひ打ち方のご参考にしてくださいね。
それでは、ルール違反にならないように、長尺パターを最大限に活用してくださいね。