ドライバーは全てのゴルフクラブの中でも、最もシャフトの長いクラブですよね。それだけに「ドライバーのシャフトを少しカットしたい!」なんて思われた経験もあるかと思います。
特に最近では長尺ドライバーもたくさん発売されているだけに、シャフトカットの必要性を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただシャフトカットは、リスクを伴う行為でもあります。
そこで、ドライバーのシャフトカットで得られるメリットやその時の注意点を詳しくご紹介していきます。またカットする長さの目安についてもご紹介していきます。
シャフトカットをご検討中のゴルファーの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
目次
1. ドライバーのシャフトをカットするメリットとは?
まずはシャフトカットに期待できることを整理していきましょう。おそらくカットをご検討されている方は、下記の内容を期待されているかと思います。
ただ次章でご紹介する注意点もございますので、このメリット全てを享受できない場合もございます。この点もご留意しながらチェックしてみてくださいね。
1-1. ミート率が安定する!
ドライバーのシャフトをカットすることで、ミート率の向上を期待できます。ゴルフクラブは短くなるほど操作性が向上しますよね。このためシャフトを短くすることで、ボールをクラブの芯に当てやすくなります。
このミート率は、ドライバーの飛距離とも大きく関係しています。特に長尺のドライバーを使用してミート率が低いゴルファーの方は、シャフトをカットしてミート率を上げた方が、飛距離が出る可能性もあります。
1-2. 方向性が安定する!
シャフトカットでドライバーの方向性が安定する可能性もあります。これはドライバーよりもスプーンの方が方向性が良い点からも、容易に想像いただけるかと思います。
実際に男子プロのドライバーの長さは、市販モデルよりも1インチ弱短めのセッティングにしている選手が多いです。この点からもシャフトの長さと方向性の相関関係が垣間見えますよね。
特にスプーンと比較してドライバーの方向性が悪い方は、シャフトカットにその答えを求めるのも自然な発想ですね。
2. ドライバーのシャフトをカットする時の注意点!
上のメリットだけ見ていると、「今すぐシャフトをカットしたい!」という方もいらっしゃるかと思います。
ただドライバーのシャフトをカットする前に絶対に知っていただきたい注意点もございます。絶対に後悔しないためにも、ぜひご確認なさってくださいね。
2-1. ゴルフクラブのバランスが変わる!
最大のデメリットは、クラブのバランスが変化することです。バランスというゴルフ用語を初耳の方は、「グリップ側とヘッド側の重量配分の兼ね合い」とイメージしてみてください。
詳しくは、『ゴルフクラブのD◯の意味って何?バランスの仕組みを徹底解説!』もご参考にしてみてくださいね。
ドライバーのシャフトをカットすれば、バランスは軽くなります。ドライバーは「D0」〜「D2」バランスが主流ですが、1インチもカットすれば、「C」バランスになってしまします。これでは今までと同じ感覚ではスイングできませんよね。
一般的には鉛調整で再度バランスを合わせることになりますが、バランスが変わることは、くれぐれもご留意してくださいね。
2-2. ドライバーのヘッドスピードが落ちる!
シャフトをカットすれば、当然ヘッドスピードは低下します。ドライバーは、1インチ短くなると、ヘッドスピードが1m/s落ちると言われています。これは飛距離に換算して、5〜6yd程度になります。
またロフト角に対してヘッドスピードが不足してしまうと、十分なボールの弾道の高さを確保できません。この場合は、さらに飛距離が落ちてしまう可能性もあります。
仮にミート率が向上しても、飛距離アップが望めない可能性もあります。こちらも注意していただきたいデメリットです。
2-3. ドライバーのライ角が変わる!
意外かもしれませんが、ライ角も変わってしまいます。シャフトは短くなるほど、アップライトのクラブになります。場合によっては、アドレスでハンドダウンに構える必要性が生じてきます。
短くする量にもよりますが、今までと同じ感覚では、アドレスできなくなってしまう場合もあるのです。アドレスはスイングを大きく影響する要素なだけに、ライ角が変わる点も見逃せないデメリットです。
2-4. 手打ちのスイングになりやすい!
ドライバーを短くすることで、手打ちになりやすいでデメリットもございます。クラブを短くして操作性が上がると、却って手の力でスイングしやすくなってしまうのです。
もちろんプロのようにスイングが固まっているゴルファーの方は、シャフトが短くても、手打ちになる心配はありません。ただまだスイングが固まっていない方は、それだけ手打ちスイングになりやすい可能性もあります。
3. ドライバーのシャフトカットをするときの目安はどれくらい?
それでも「シャフトをカットしたい!」という方もいらっしゃるかと思います。そこで、この時のの長さの目安をご紹介していきます。
カットしたクラブは元に戻せないだけに、ぜひご参考になさってくださいね。
3-1. シャフトを0.25インチカット
ドライバーのシャフトを慎重にカットする場合、基本的には0.25インチ単位で短くしていきます。そこでまずは、0.25インチだけカットしてみるのもおすすめな方法です。
この場合、上でご紹介したデメリットも最小限に抑えることができます。リバランスなしでもクラブをお使いいただけますので、比較的敷居の低い長さの目安になります。
絶対に失敗したくない方は、まずはこの長さからトライしてみてくださいね。
3-2. シャフトを1インチカット
「シャフトカットの効果をしっかり体感したい!」という方は、1インチ切ってみる方法もあります。
1インチカットすると、クラブの特性は様変わりします。上でもご紹介しましたが、クラブのバランスがかなり軽くなります。
このため鉛調整やグリップ交換によるリバランスは必須と言えます。単にシャフトだけカットすると失敗する可能性もありますので、クラフトマンに一度ご相談してみてくださいね。
3-3. シャフトを2インチカット
この記事をご覧の方の中には、「2インチカットしたい!」という方もいらっしゃるかと思います。最近では48インチ級の長尺も発売されているだけに、シャフトが長すぎると感じている方もいらっしゃいますよね。
ただ2インチもカットしてしまうと、完全に別のクラブになってしまいます。バランスも大きく崩れてしまうため、元通りの感覚でスイングすることは難しいと思ってください。
また2インチも短くなると、確実にライ角にも影響が出ます。アドレスも今まで通りに構えられない可能性が高く、こちらも要注意です。さらにヘッドスピードが落ち、飛距離ダウンにつながる可能性もあります。
このように2インチカットは、かなりハイリスクと言えます。この場合は、思い切ってドライバーを新調するか、シャフト毎交換されることをおすすめいたします。
4. ドライバーのシャフトカットには2種類の方法がある!
最後にドライバーのシャフトカットの方法についてご紹介いたします。シャフトをカットする場合は、「グリップ側」と「ヘッド側」のどちらをカットするか選択が必要です。
シャフトカットを実行される方は、どちらを切るかご参考にしてみてくださいね。
4-1. ドライバーのグリップ側のシャフトをカット!
まずはグリップ側をカットする方法から見ていきましょう。
この場合、作業工程にグリップの剥離も伴います。このため新しいグリップを交換する必要があると思ってください。新しく交換するグリップの重量にも気をつければ、バランスを変えることなくシャフトカットに成功できます。
この辺りは、ゴルフショップの店員さんともご相談してみてくださいね。
4-2. ドライバーのヘッド側のシャフトをカット!
こちらは玄人テクニックですが、ドライバーのヘッド側のシャフトをカットする方法もございます。
「先調子」でも「元調子」でも、シャフトは先端にいくほど柔らかくできています。このため、先端側をカットすることでヘッド側の剛性を上げることができます。
プロゴルファーのクラブセッティングでは、「ヘッドが暴れる!」なんて時に、シャフトの先端側を切る場合もございます。
ただ一般的にはヘッド側をカットすると、クラブが硬くなってしまいます。アマチュアの方がヘッド側をカットする際は、この点に注意が必要です。
またヘッド側の裁断に失敗すると、クラブの剛性が落ち、最悪の場合は折れてしまいます。そこで必ず信頼できるショップのクラフトマンに切ってもらうようにしましょう。
5. ドライバーのシャフトをカットする時はくれぐれも慎重に!
いかがでしたでしょうか。ドライバーのシャフトをカットするメリットや、その時の注意点はご確認いただけましたでしょうか。
当然ではありますが、ドライバーのシャフトをカットすると、元通りに直すことができません。それだけにカットする場合は、ぜひとも慎重にご判断いただければと思います。
上ではシャフトカットによって生じるデメリットについても掲載しております。それでもドライバーのシャフトをカットしたい場合は、一度プロのクラフトマンにご相談してみるのもおすすめな方法です。
シャフトカットのメリットと注意点をしっかり整理して、理想的なドライバーにカスタムしてくださいね!