ドライバーのシャフトには、「トルク」という指標がございます。プロや上級者の方は、このトルクにもこだわってドライバーのシャフトを選択しているものです。とはいえシャフトのトルクについて詳しくご存知ない方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、ドライバーのシャフトのトルクについて詳しくご紹介していきたいと思います。
冒頭ではトルクの意味や役割を丁寧に解説しております。また後半では、トルクの大小に応じた上手なギアの選び方も解説しております。
トルクも少し意識することで、より自分にぴったりなギアに巡り会える可能性が高くなりますので、ぜひドライバーの選び方としてご参考にしてみてくださいね。
目次
1. シャフトのトルクとは?
ドライバーのカタログに表記されているトルクとは、そのシャフトがどのくらいねじりやすいかを示す値です。トルクの詳しい測定方法は省きますが、グリップとヘッドを捻ったときに、どのくらい捩れるかを示しています。
トルクは「3.5」を目安に、3.5よりも数値が大きいクラブは捻れやすく、3.5以下のクラブは捻れにくいとイメージしてただければ問題ありません。
レディースモデルのドライバーは、トルク「7.0」程度が基準になるかと思います。
2. ドライバーにおけるトルクの役割
シャフトのトルクの意味だけでは、その役割のイメージが難しいかもしれません。
そこでこの章では、トルクの役割をもう少し具体的にご紹介していきます。身近な例を使用して分かりやすく解説しておりますので、ぜひご確認してみてくださいね。
2-1. トルクは乗用車のハンドルの遊びと同じ!
シャフトのトルクは、自動車のハンドルの「遊び」に例えられる場合が多いです。
トルクの大きいクラブは、大衆向けに作られている乗用車です。ハンドルの遊びが大きく作られていますので、手元が少しぶれたくらいでは、車の進行方向に影響はありません。
一方でトルクの小さいクラブは、フォーミュラーカー等のレーシングカーに例えられます。F1のレーシングカーを操作した経験はありませんが、ハンドルの遊びが殆どないと言われています。このため手元の微細なハンドル操作が如実に進行方向に影響を与えるのです。
2-2. トルクとミスヒットの許容性!
こちらはドライバーのヘッドスピードが45m/sを超えてくるハードヒッター向けの内容です。
プロでもドライバーの芯で毎回ボールをショットできるわけではありません。ドライバーのトウ側でショットすると、フック系のボールになります。反対にヒール側でショットすると、スライス系のボールになりますよね。
これはインパクトの瞬間にシャフトが捩れることで、フェースの向きが変わってしまうことが影響しています。
この時にトルクの小さいクラブを使用すれば、ミスヒット時のシャフトの捻れが抑えられ、ボールの方向性を安定させることができます。
3. トルクの大きいシャフトが向いているゴルファーの特徴
まずは、トルクの大きいシャフトのドライバーと相性の良いゴルファーの方の特徴をご説明していきます。
一般的にトルクの大きいギアの方が扱いやすいと言われていますが、その理由をしっかりと整理してみましょう。
3-1. スイングの安定しないゴルファー
トルクの大きいシャフトは、ハンドルの遊びの大きい乗用車のイメージでした。これをゴルフのスイングに置き換えると、手元で余計な動きをしてしまっても、ミスを緩和してくれる特徴がございます。
例えば、インパクトの瞬間にグリップをこねるような動きをしたケースを考えてみましょう。この時にトルクの大きいギアを使用していると、シャフトが捩れることでヘッドが被りづらくなり、ミスショットを曖昧にしてくれる効果があります。
スイングの安定しないゴルファーの方は、トルクの大きいシャフトの方が扱いやすくなります。一般的にトルクの大きいクラブが初心者向けと言われるのはこのためです。
3-2. ヘッドスピードの遅いゴルファー
ドライバーのヘッドスピードが遅いゴルファーの方は、トルクの大きいクラブを使用した方が良いです。
シャフトの捻れ具合は、ヘッドスピードと相関関係にあります。ヘッドスピードに対してトルクが小さすぎると、シャフトが全く捻れてくれません。
これでは硬い棒を振り回すようなもので、ドライバーの飛距離を伸ばすことができず、またスイングしづらいクラブになってしまいます。
3-3. トップでためを作れないゴルファー
トップでためを作るのが苦手な方は、トルクの大きいクラブと相性が良い傾向にございます。シャフトのしなりに直接影響を与えるのはフレックスですが、トルクが大きい方がしなりを体感しやすいからです。
トルクの大きいドライバーを使用することで、切り返しのタイミングを作りやすくなり、スイングの安定効果も期待できます。
心当たりのあるゴルファーの方は、ぜひトルクの大きなドライバーも試打してみてくださいね。
4. トルクの小さいシャフトが向いているゴルファーの特徴
続いて、トルクの小さなシャフトと相性の良いゴルファーの方の特徴を確認していきましょう。
こちらはどちらかというと、プロや上級者向けと言われていることが多いです。トルクの小さいシャフトの特徴もしっかり整理してくださいね。
4-1. ドライバーの弾道をコントロールしたいゴルファー
ドローやフェードを積極的に打ち分けていくプロや上級者の方の場合、「遊び」となるトルクは邪魔な存在です。
球筋をコントロールするためには、手元の動きをシビアにヘッドに伝達する必要があります。このため、トルクが小さくて捻れにくいシャフトを愛用しているケースが多いです。
ただこれは、スイングが安定していないと、如実に大きなミスショットとなってしまいます。トルクの小さいギアが上級者向けと言われているのはこのためです。
4-2. ヘッドスピードの速いゴルファー
ドライバーのヘッドスピードに対してトルクが大きいと、ダウンスイングでシャフトの捻れが戻りきる前にインパクトを迎えてしまう可能性があります。
テークバックでは時計回転にシャフトが捻れています。この捻れがインパクトまでに戻りきらないと、フェースが開いた状態でインパクトを迎えることになり、ドライバーがスライスする原因になります。
また反対に、シャフトの捻り戻りが大きすぎて、フェースが左を向いてしまう場合もございます。これはドライバーがフックしてしまう原因になってしまいますよね。
ドライバーの柔らかいシャフトは方向性が安定しないと言われていますが、これはトルクが大きく影響しているのですね。
5. ドライバーのシャフトのトルクを選ぶときの注意点!
ドライバーのトルクについて理解が深まってくると、自分に合ったトルクのギアを購入したくなりますよね。そこで、トルクを選ぶときの注意点を確認していきましょう。
一般的にドライバーのシャフトは、トルクが大きくなるほど、フレックスが柔らかくなるように設計されています。
ヘッドスピードが47m/s程度あるゴルファーの方が、トルクの大きいクラブを目当てに「R」シャフトを選択しては柔らかすぎます。
そこで、トルクにこだわる時でも、まずはドライバーのシャフトのフレックスを決めて、そのフレックスからトルクを選択するように意識してくださいね。
またドライバーのシャフトの重さやキックポイントも合わせて選び方として意識してみてくださいね。
6. ドライバーのシャフトを選ぶ際にはトルクにもこだわろう!
いかがでしたでしょうか。ドライバーのトルクの意味や役割はご確認いただけましたでしょうか。
トルクとはそのシャフトがどのくらい捻りやすいかを示す数値です。ドライバーのシャフトの硬さや重さを意識しているゴルファーの方でも、トルクまでは見ていない方もいらっしゃるかと思います。
トルクの大きいクラブほどスイングの許容性が高くなり、またトップでのタメを作りやすくなるメリットがございます。
一方で、ドローやスライスの弾道をコントロールしたい時は、オフセンターヒット時の方向性を大事にしたい場合は、トルクの小さなギアを使用するのが選び方のポイントでした。
ドライバーのシャフトにはトルクの数値が記載されていますので、ご自分にぴったりなギアを探してみましょう。