ゴルフ用語でヒンジという言葉を聞いたことがありますでしょうか。知っている方も知らない方も、おそらくほとんどのゴルファーの方はスイング中に無意識のうちのヒンジの動作をしているはずです。
このヒンジを正しい動作で行うことで、ドライバーの飛距離を格段と伸ばすことができます。
ところで、皆さんはコックとヒンジの違いは明確に区別できていらっしゃいますでしょうか?そこで、まずはコックとヒンジの意味について詳しくご説明していきます。
そして後半では、ヒンジを取り入れたスイングの理想についてご紹介いたします。ぜひ練習場で練習されるときのご参考にしてくださいね。
また、コックとヒンジは正確には別物です。両者の違いは簡単にご説明しておりますが、コックに関しては『ゴルフスイングのコックとは何?その意味とメリットをまとめてご紹介!』でより詳細にご説明しております。
コックについてまだよく知らないという方は、まずはこちらを先にご確認いただくとヒンジも理解しやすいですよ。
目次
1. コックとヒンジの違い
まずはコックとヒンジの違いを確認しておきましょう。多くの方はコックとヒンジを混同しているようです。自分でコックと思って行なっている動作が実はヒンジであったなんてことはよくある話です。
ゴルフのスイング理論を雑誌などで見るときに、コックとヒンジの違いをしっかりと把握していないと勘違いしてしまう可能性もあります。誤った練習をしてしまわないためにも、是非違いを覚えておきましょうね。
コックとは、バックスイングで左手首を親指側に折る動作のことです。そしてヒンジとは、バックスイングで右手首を甲側におる動作のことです。
とてもシンプルな違いですので、簡単にイメージできますよね。
ご自分でゆっくり素振りしながら確認していただくと良く分かると思いますが、おそらくほとんどのゴルファーの方は、ゴルフボールをショットする時にコックとヒンジの動作を両方取り入れたスイングになっているのではないでしょうか。
2. スイング中にコックやヒンジを使う理由
なぜスイング中にヒンジを入れる必要があるのでしょうか。簡単に説明すると、ヒンジを取り入れた方がショットが安定し、ゴルフボールの飛距離も増大するからです。
ヒンジの効果を確認するためには、ビンタする動作をイメージしていただけると良く分かるかと思います。
ビンタするときは、ただ単に腕を動かすだけでなく、右手を手の甲側に無意識に折っているのではないでしょうか。これは無意識のうちに手の平を加速させようとしている動きです。実はビンタされた側の人間は、当然この方が痛かったりするわけです。
このように手首のヒンジを使うことによって、腕を振る速さ以上のパワーを伝える事が出来るのです。これをゴルフクラブを握っている状態でイメージして頂くとゴルフボールがより飛ぶ理由がよくわかりますよね。
ダウンスイングで腕を振る速さには限界がありますが、ヒンジによってクラブヘッドを走らせることで、よりクラブを走らせることができるわけです。
ゴルフ初心者の方の飛距離が飛ばない理由は、このヒンジが上手に使えていないことが原因のことも多いですよ。
3. 正しいヒンジの動きとは
ゴルフスイングにおけるヒンジの重要性は確認いただけましたでしょうか。しかし、ヒンジは無意識に行なっている方がほとんどかと思います。
そこで、自分が無意識に行なっているヒンジの動きを確認することで、ゴルフスイングに問題ないか確認してみることもおすすめな練習方法になります。
下記に良い例と悪い例をご紹介いたしますので、ぜひ練習場でご自分のスイングと比較してみてくださいね。
3-1. 良いヒンジの例
アドレスをする時、特にアイアンはハンドファーストに握りますので、自然と少し右手にヒンジが入っていることになります。そのままテークバックをしていくと、コックと同時にヒンジも入っていき、トップにかけて右手のヒンジは強くなっていきます。
ヒンジの程度には個人差がありますが、飛ばし屋で知られるトッププロたちは右手の平が空を仰ぐくらいヒンジを取り入れております。そこからダウンスイングにかけてコックをキープしたままクラブを振り下ろしてきます。
そして腰の位置を過ぎたあたりから右手のヒンジの角度が戻っていき、インパクトにかけて自然とクラブのフェース面も戻ってきます。これがヒンジの理想的な使い方になります。
ドライバーの飛距離アップを目指す上でも大切なポイントですので、ぜひスイングを見直してみてくださいね。
3-2. ヒンジの悪い例
ヒンジの悪い例は、業界用語で逆ヒンジと呼ばれております。これは通常とは逆側に手首の角度をつけてしまっている現象です。
ヒンジの正しい動作は右手が甲側に折れる動きでしたね。しかし、逆ヒンジとはこの動きとは反対に、左手の甲側に手首が折れてしまっている動作になります。
アドレスからトップ、そしてインパクトまでに逆ヒンジの動作が入ってしまうと、ヒンジ本来のパワーを使用できないスイングになってしまいます。その他ダフリや引っ掛けなど様々なミスショットの原因にもなります。
特にインパクトの瞬間に逆ヒンジになってしまうと、すでにヒンジのパワーが解放されてしまっているので、ゴルフボールの飛距離も全然飛ばなくなってしまいます。これはドライバーが飛ばない大きな原因にもなっています。
ぜひご自分のヒンジの動きに問題ないか確認しながら練習してみてくださいね。
3-3. 逆ヒンジになっていないか確認する方法
スイング中に逆ヒンジになってしまっていないか簡単に確認する方法をご紹介したいと思います。
用意するのはピッチングウェッジでも7番アイアンでも何でも構いません。
まずは右手でゴルフグリップをかなり短く持っていただき、左手で右手の手首を掴んでみてください。そしてそのままスイングをしてみましょう。
この時、逆ヒンジになってしまっていると、グリップエンドが左手の手の甲に突き刺さってしまいますので、一発で逆ヒンジと判定できます。
ただしこの確認方法は、逆ヒンジが強いゴルファーであればそれだけ左手の甲にグリップが突き刺さってしまい、かなり痛いです。そこでまずはゆっくりと素振りをしてみて、問題ないようでしたら少しずつヘッドスピードを上げて確認してみましょう。
また、もしインパクトにかけてグリップエンドが左手に当たってしまったというゴルファーの方は、当たらないように意識して練習していくことで、正しいヒンジの動きを習得できるようになりますよ。
4. コックやヒンジは無意識に自然とできるもの
本来ヒンジとは無意識のうちに自然とできるものです。そこに意図的に手首の角度を固定しようですとか、コックの角度をどうするとか考えてしまうと逆ヒンジの動きになってしまうことがあります。
ヒンジを自然な動作の一環としてやるためには、まずはアドレスでグリップの力を抜くことが非常に大切です。力を抜くことで手首の関節も柔らかくなり、コックやヒンジの動作を使いやすくなるためです。
そして、脱力した状態でトップにかけてコックを入れていくと、自然とダウンスイングではヒンジの動きができるようになります。ぜひ練習場で確認してみてくださいね。
この時にコックを入れる理想的な手首の角度については、『こんなに変わる!ゴルフスイングの正しいコックの仕方を身につけよう!』で詳しくご紹介しておりますので、こちらもご確認してくださいね。
また、ダウンスイングでコックがキープできないという方は、『ゴルフスイング中に手首のコックをほどかないで維持するコツと練習方法!』にコツをご紹介しておりますので、こちらも併せてご確認してください。
5. コックとヒンジを一緒に使ったスイングで飛距離アップも間違いなし!
いかがでしたでしょうか。ゴルフ用語で聞くヒンジの意味とコックとの違いはご確認いただけましたでしょうか。
ヒンジを使うとドライバーの飛距離がとても良く伸びるようになります。それだけにプロゴルファーであれば、ほぼ全員がコックと同時にヒンジを取り入れてショットしてます。
まずはご自分のヒンジの動作に問題がないかを確認してみてくださいね。
そして、もし逆ヒンジになってしまっているゴルファーの方がいらっしゃいましたら、コックの方向性も含めてご確認してください。ヒンジをマスターすればゴルフがもっと簡単に、そして楽しくなりますよ!
また、ヒンジを使うために大切なコックをリリースするタイミングに関しては、『ゴルフスイングで理想的なコックのリリースのタイミングはいつ?』で詳しくご紹介しておりますので、ぜひこちらもご覧になってくださいね。